杉山産婦人科 院長 杉 山 力 一
生み分けの歴史は永く、古くから伝承や迷信が伝わってきました。
現代の生殖医療の急速な進歩の中で、「生み分け」という人類で最も興味深い分野の一つがこれだけ研究が遅れ、さらに時代と共に進歩しないのは、「妊娠・出生」という聖域に踏み込みたくないという倫理的な問題が背景にあるのが現実だからです。
当院には、全国各地から男女生み分けを熱心に考えているご夫婦の来院が後を断ちません。「男の子/女の子だったら、産みたくない・・・」などの驚くようなご意見・ご質問も少なく有りません。生み分けは親のエゴかもしれませんが、ご夫婦の自由であることも事実です。ただ、私が毎日診療していて感じることは、こうして生み分けを通じて親としての 自覚や子供への愛情を培っていらっしゃるということを肌で感じています。 生み分け診療を行うにあたっては、成功率などという言葉は使っていません。ご希望と違えば、失敗となるからです。ご妊娠からはじまる10ヶ月のマタニティーライフがすばらしいものとなることが、我々産婦人科医師の願いであり、生み分けのご希望が叶うか否かは次の問題です。確率は独自の方法が多くさらに報告義務がないので、詳細は不明な点が多いですが、ホームページよりアンケート形式でご協力戴けます範囲でご報告戴ければ幸いです。
男女生み分けについては、昨今、インターネットの普及により様々な情報が錯乱し、熱心なご夫婦を混乱させているようです。様々な情報により一喜一憂し、本来のご妊娠・ご出産という人生の最大規模のイベントが疎かになりがちであるように思えます。
我々が推奨しています「男女生み分け法」がこのような惨劇を生ずるのであれば、生み分け法の普及と研究に将来は無いと思います。お子様の誕生を強く願うご夫婦が、生み分けを併用なさることがベストな方法であり、生み分けがメインでないことをどうぞご理解下さい。あくまで、ご妊娠の延長線上に生み分けが存在し自然妊娠を原則に行うものです。
一方で、男女生み分けには重篤な遺伝病の回避に用いられるケースも少なく有りません。
重篤な遺伝病の有無にかかわらず、我々が行う生み分け法は同レベルであることもご承知おき下さい。現行の法では、重篤な遺伝病の回避には、体外受精で得られる受精卵の着床前診断が唯一の方法であります。しかし、その場合でも許可がおりるには相当な手続きと日時を要し、また施行される施設も限られているのが現状です。
当院を中心とした生み分けの全国グループに「Sex Selection研究会(SS研究会)」という会があります。生み分けに共感され賛同してくださる全国の産婦人科医師の任意の集まりです。生み分けという特殊性から、全国共通の方法で生み分けを行っているのではなく、その医師が独自のご経験や知識から生み分けをおこなっておられるようですから、当院へお越しになれない方は、地元の先生方の指導をお聞きになって下さい。
最後になりますが、過度な情報に流されず、限りなく自然な中で行う生み分け法に発展に努力する一方で、人体の解明できない自然の摂理に反することなく生み分けされる多くの方の一助となれることを願ってやみません。












